CASE Ultra
毒性予測ソフトウェア
– CASE Ultra – 毒性予測・ICH M7ガイドライン対応・食品健康影響評価に –
MultiCASE社(米国)のCASE Ultraは、化合物の2次元構造情報から各種毒性を予測し、医薬品候補化合物の開発早期におけるスクリーニングを強力に支援します。毒性の予測には化合物のBiophore(生物活性・毒性を有する部分構造)を基にした独自のQSAR(定量的構造活性相関)モデルを使います。
CASE Ultraは、MultiCASE社とFDA/CDER(医薬品研究評価センター)との共同研究契約(research collaborative agreement: RCA契約)を締結して開発され、FDAの非公開データを含む毒性データを130種類以上のモデルとして利用することが可能です。
目次
CASE Ultraについて
CASE Ultraの特徴
CASE Ultraはデータセットを自動的に評価し、毒性発現に関与すると考えられる部分構造(Toxicophore)の辞書を作成します。そして同定されたToxicophoreをベースとした定量的構造活性相関(QSAR)モデルを構築することで新規化合物の毒性予測を可能とします。構造情報を入力するとCASE Ultraは作成された辞書と適切なQSARモデルを用いて評価を行い、予測結果を返します。また、CASE Ultraはユーザーのデータを用いて新規の予測モデルを作成することや既存の予測モデルをカスタマイズすることが可能です。操作は非常に簡単で、ユーザーのデータに対して複雑な情報は求めません。
2016年1月に発出されたICH M7「医薬品中DNA反応性(変異原性)不純物の評価及び管理に関するガイドライン」や
「食品健康影響評価において(Q)SARを活用して変異原性を評価する場合の手引き」において必要とされているコンピュータによる毒性評価の用途としてもご利用いただけます。
対応する毒性エンドポイント
- *Bacterial Mutagenicity(変異原性)
- *Genetoxicity(遺伝毒性)
- *Carcinogenicity(発がん性)
- HepatoTox(肝毒性)
- RenalTox(腎毒性)
- *CardioTox(心毒性)
- Skin/Eye Toxicity(皮膚・眼毒性)
- *ReproTox(生殖毒性)
- *Developmental Toxicity(発生毒性)
- *Fetal Dysmorphogenesis(胎児形態形成異常)
- *Fetal Development(胎児発達異常)
- *Fetal Survival(胎児致死)
- Acute Toxicity(急性毒性)
- Eco Toxicity(環境毒性)
- ADME(薬物動態)
- Endocrine Receptor Models(内分泌受容体結合)
- Adverse Effects(副作用)
※*はFDA/CDERとのRCAに基づき開発された予測モデルを含む
※Mutagenicity及びSkin sensitizationは知識ベースの予測モデルを含む
※ニトロソアミン類のリードアクロス、CPCA分類モデルはQSAR Flexで利用できます
データ入力支援ツール:DataKurator
DataKuratorは、化学構造を含むファイルについて潜在的な問題、エラー、重複する化学構造を調べる機能を備えた組み込みツールであり、CASE Ultraと互換性を持たせるために必要な問題を修正する手段を提供します。
構造エラーの修正、混合物/塩や重複構造、SMILESからのキラルタグの除去、電荷の中和、互変異性体を生成する機能などがあります。
・MOLファイル、SDファイル、CDXファイル、SMILES、InChIなど、さまざまな化学構造が入力可能
・分子構造作画ツールを利用可能
エキスパートレビュー支援ツール:Konsolidator
Konsolidatorは、変異原性予測におけるエキスパートレビューを支援します。
統計ベースおよび知識ベースモデルの結果から、アラート構造の類似構造の調査、Out-of-Domain(OOD)の再評価、文献等の関連情報を収集します。
稼働環境
- OS:Windows 10/11、Windows Server 2008R2以降のServer OS。いずれも、日本語/英語(64bit)
- CPU:Intel Core iシリーズ、または、互換シリーズ (推奨:第8世代Intel Core iシリーズ以降)
- HDD/SSD:120GB以上の空き (推奨:SSD)
- RAM:2GB以上の空き (推奨:16GB RAM)
- モニター:1280×720以上の高解像度なもの (推奨:1920×1080以上)
※記載の商品名等は各社の登録商標、または商品の場合があります。
ライセンスタイプ
・CASE Ultra
– カスタマイズ可能︓既存の予測モデル利用、既存の予測モデル強化、新規の予測モデル作成
・CASE Ultra T
– カスタマイズ不可︓既存の予測モデル利用のみ
活用事例
エーザイ株式会社様 (2024年6月7日更新)
エーザイ株式会社の遺伝毒性予測システム「YosAI」にてCASE Ultraが利用され、遺伝毒性のリスク評価に大きく貢献しています。
グローバル安全性研究部の方々からYosAIとCASE Ultraの導入についてお話を伺い、インタビュー記事を掲載しました。
詳しくはこちら
開発元ウェビナー動画(英語、日本語字幕可)
- CPCAフレームワーク:NDSRIs許容摂取量設定(2024年1月16日)
Speakers:Alejandra Trejo-Martin,(Gilead Sciences), Roustem Saiakhov & Suman Chakravarti(MultiCASE)
- 内分泌かく乱作用予測QSARモデルの紹介(2023年8月1日)
Speakers:Mounika Girireddy(MultiCASE)
- ニトロソアミンの発がん性評価の現状(2023年7月19日)
Speakers:Suman Chakravarti(MultiCASE)
- (Q)SARを用いた医薬品の不純物評価方法:ICH M7対応(2022年3月12日)
Speakers:Dr. Naomi Kruhlak(FDA/CDER)